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サムエル記を愛して その15

サムエル記第一・第一七章 ダビデとゴリヤテの一騎打ち

 

 聖書中、これほど痛快な個所は他にはないでしょう。すぐにビジュアル化できそうです。無名の少年ダビデが、名だたる職業軍人、だれひとり手向かうことのできないペリシテの戦士を、石ころ一個でとどめを刺してしまうのです。出来事の順を追ってみましょう。

 

 今度の戦いの相手はペリシテ人です。『聖絶』事件の相手はアマレクでした。

 イスラエルとペリシテは谷一つ隔てた山の両側に陣を敷いています。双方にらみ合いというところでしょうか。互いの動きも声も手に取るようにわかる距離です。ほんの小さなきっかけでも起きれば、またたく間に一大戦闘になること必定です。ペリシテの陣営には、ゴリヤテという巨人の戦士がいて、毎日大声でイスラエルを挑発します。一騎打ちをしようじゃないか、一人を出せというのです。三メートル近い身長があり、五五キロほどの青銅のよろいを着こんでいます。イスラエルはこのひとりの出現にさえ震え上がっています。サウル王もじりじりしていたことでしょう。

 

 そこへ、ダビデがあられます。彼は戦士にもなれない少年です。相変わらず父の羊の番をしています。上の兄たち三人が出陣しています。父エッサイはイスラエル軍と息子たちの様子が知りたくてたまりません。ダビデに、支援物資を持たせて安否を問うために遣わします。

 

 ちょうどダビデが陣地についたとき、ゴリヤテが大声で例のごとくイスラエル軍をあざけりなぶっているところでした。ダビデはその罵声を聞いたのです。ダビデは火の中に飛び込んだように体中が燃え上がりました。義憤です。彼は『生ける神の陣をなぶるとは』26節、とあたりかまわず叫びます。ダビデにとってはイスラエルの軍は神の軍です、イスラエルを侮辱することは、愛する神を侮辱することなのです。ダビデの内にはすでに激しく主の霊が降っています。ダビデの内なる主の霊が働き出しているのです。

 

 ダビデは大胆にもサウル王に『このしもべが行って、あのペリシテ人と戦いましょう』32節、と言います。だれが見てもダビデはまだ少年です、だれが聞いても吹き出してしまうようなたわごとなのです。サウルも、子どもに言い聞かせるように、無理だよというのです。ところがダビデは真剣そのものです。あまりの気迫にサウルも自分のよろいを着せて行かせます。せめてものあわれみでしょう。

 

 一方、ゴリヤテはようやく一騎打ちの相手が出てきたと気をよくして、見ればなんと子どもです。よろいもつけず剣もなく、おもちゃにも等しい石投げ器一つです。このときのゴリヤテの心境はどうだったのでしょう。自尊心を傷つけられてかなり怒っていたでしょう。しかし戦意はゼロに近かったでしょう。

 

 ダビデは全身戦意に満ちあふれています。『万軍の主の御名によっておまえに立ち向かうのだ』45節と、視線を上にあげて大男を睨みつけます。ゴリヤテがダビデを踏みつぶさんと近づいてきた時、ダビデは日ごろ使い慣れている石投げで、河原から拾ってきた石を挟んでゴリヤテめがけて放ちます。石はゴリヤテの額に命中し、額に食い込み、うつぶせに倒れて息絶えるのです。『こうしてダビデは、石投げと一つの石で、このペリシテ人に勝った』50節。

 

 今や、ダビデは戦場のヒーローです。

2018.03.18 Sunday 20:35 | - | - | 
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