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サムエル記を愛して その10  

サムエル記第一・第十一章 サウル初戦大勝利 神の前での王権設立

 

 イスラエルの外敵の一つであるアモン人が、国境近くのヤベシュ・ギルアデの人々に攻撃の構えを見せてきました。ヤベシュの人々はサウルの所に来て事の次第を伝えます。聞いたとき『神の霊がサウルの上に激しく下った』6節。サウルは激しい闘志に燃え、全イスラエルに徴募の号令を掛けます。単にサウル一人の熱心ではありません。神がサウルの心に働きかけたのです。サウルは今や自分が王に立てられたことを自覚したのです。ぞくぞくと人々がサウルのもとに集結します。この様子を聞いたヤベシュの人々は大喜びします。彼らは残虐なアモン人から救われることに期待したのです。

 

 サウルは兵の先頭に立ち、勇ましく指揮をふるってアモン人の陣営に突入し、壊滅に追い込みます。イスラエルの大勝利です、サウルは初陣で大手柄を立てたのです。

 すかさずサムエルは民に云います。『ギルガルへ行って、王権を創設する宣言をしよう』14節。サムエルはこの時を神の好機と判断したのでしょう。今や、サウルは民からの全幅の信頼を得たのですから。

 ギルガルで主の前にいけにえをささげ、正式にサウルを王とするのです。さしずめ戴冠式といえましょう。こうして、イスラエルは民族集団から王制の国家へと新しい歩みを始めます。サウルも民も有頂天です。しかし、王を立てることはそもそも神のみ心を痛め、サムエルを不快にしたマイナス旋律から始まっていることは忘れてはならないことです。

 

サムエル記第一・第十二章 サムエルの引退説教  

 

 イスラエルは、神と民の前で正式に王制を発足させ、まだ宮殿はなかったにしても、サウルは押しも押されぬ初代の王位に着きました。イスラエル国家が誕生したのです。しかし国家といっても現代とは違って神政国家です。最高主権は神にあります。王を選ぶのは神です。サウル選出にはくじが使われましたが、くじにこそみこころが現れています。

 サムエルは大役を果たしました。士師(さばきつかさ)の役割のひとつ、政治や軍事の役割は終了です。しかし預言者としては最高峰に位置し、民はひとえにサムエルを信頼しています。若葉マークの王サウルも彼を差し置くようなまねはできません。

 

 サムエルは民の前で、これまでの自分の働きを総括します。若い時から白髪の今日まで先頭に立って歩んできたがもし不正をしていたら申し出てほしい、償いをするからと。さらに出エジプトからカナン定住までを物語り、安らかに暮らせたのは神の救いによるのだと、イスラエルの神を強調します。その神を二の次にして王を求めたのは罪だと言い切るのです。たった今、王制が始まったばかりなのに罪だと断罪するのは言い過ぎではないかとさえ思います。サウルはどんな思いで聞いたでしょう。王の椅子も座り心地はよくなかったでしょう。

 

 その時、乾期には降らない激しい雷雨があり、民は震え上がって神とサムエルの真意を悟ります。そこでサムエルはこれからも祈り続けるから、あなたがたも『ただ主を恐れ、心を尽くして主に仕えなさい』と切々と言い聞かせます。引退説教といえましょう。

2017.11.08 Wednesday 12:09 | - | - | 
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